すべての女性に訪れると言っても過言では無い更年期。
代表的な更年期の症状に、
- イライラ
- 鬱状態
- 不眠症
- めまい
- 肩こり
- 腰痛
- のぼせ
- 頭痛
- 高脂血症(高コレステロール症)
- 骨粗しょう症
など厄介な症状は数多くあります。
これは閉経前後に起こる女性ホルモン(エストロゲンなど)の急激な減少が原因です。
女性ホルモンは思春期から分泌量が増加し、
45=55歳に減少しはじめ、50代後半になくなってしまうというのが一般的な流れです。
エストロゲンは肌や髪にハリを与えてくれる重要な女性ホルモンですなので、
「いくつになっても女性らしさを失いたくない」
「心の安定を取り戻したい」
という方に知ってもらいたいのがホルモン補充療法です。
英語では、「hormone replacement therapy(HRT)」と呼ばれます。
HRTは、自分の力で分泌できなくなった女性ホルモンを補う治療法で
産婦人科のある病院であればどこでも受けることができます。
HRTの日本での普及率は2%
日本ではホルモン補充療法の普及率が2%以下と非常に低いといいます。
一方で、欧米では更年期女性の一般的な治療法として認知されており、
例えば北欧のスウェーデンでは約80%、アメリカでは約40%の普及率となっています。
ホルモン補充療法は薬を飲むだけのいたって簡単な治療法です。
痛い注射などは一切ありません。
ただし、年齢によってホルモンの減少度合いも違うので事前の検査が必要です。
なのでまずは、産婦人科で診察をうけ、更年期症状の状態をチェックすることが必要です。
その後状況に合わせて血液検査でエストロゲンの分泌量などを調べます。
また肝機能や乳がん、子宮がんの検査なども併せて行うことが多いです。
その結果から状態に合わせて服用する薬の量を医師が判断します。
気になる費用は、1ヵ月で1000円弱の治療から受けることができます。
保険が効くと経済的負担はもっと少なくなるということです。
ただし、ホルモン補充療法は補充するホルモンの種類や投与の形態、服用する期間などによって、費用に非常に大きな開きがあるということも覚えておいてください。
ご自身が望む治療内容に合わせて必要な負担額も変わってくるので、よく確認してから治療にあたりましょう。
ホルモン補充療法の副作用について
ホルモン補充療法にはいくつかの副作用があります。
- 不正出血
- 乳房のハリや痛み
- おりもの
- 下腹部のハリ
- 吐き気 など
これらの副作用は、薬の頻度や量を調節して改善することができます。
また、月経のような症状が見られることもありますが、それを避けたい場合は、薬の加減で出血させない方法もありますので、担当医に相談しましょう。
実際に飲み始めてみて何らかの不快感を感じたら担当医や薬剤師にしっかりと伝えて確認したほうがいいです。
副作用の有無も、人によって違うので個人個人に合わせて柔軟に対応していくことが重要です。
更年期は誰にでも訪れるものですが、せっかく更年期の不安やストレスを和らげる治療法があるのですから、いちど医者に相談してみるのも良いと思います。